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研究所の刊行物


「もやい(ながさき部落解放研究)」創刊号〜第59号

対馬の朝鮮貿易と被差別民


T 近世末期における対馬藩の皮革貿易について
 一 はじめに
 二 日朝通交体制の確立
 三 通交貿易体制の確立と展開
 四 十九世紀の日朝貿易
 五 牛皮の流通について
 六 最後に
U 史料翻刻‐朝鮮交易覚書
 凡例
 【嘉永四年】
 癸丑【嘉永六年】
 嘉永七甲寅年
 安政二乙卯年
 安政三丙辰年
V 宗家史料にみる対馬の被差別部落
 一 はじめに
 二 対馬藩の概況
 三 皮革生産と被差別部落
 四 牛皮と牛骨の流通
 五 おわりに
 レジュメ
 史料集
執筆者・編集委員

 編集発行:2010年3月25日 長崎人権研究所
 B5版,123頁

被差別民の長崎・学−貿易とキリシタンと被差別部落−

刊行にあたって
T 貿易都市長崎と「かわた」集団
 −キリスト教と皮革流通に関連して
 はじめに
 第一章 貿易都市長崎の成立と「かわた」集団
 第二章 対外貿易と長崎・大坂ー「かわた」の役割に関連して
 第三章 対馬と朝鮮貿易
 おわりに

U 江戸期−皮流通と大坂渡辺村商人
 −豊後・豊前・筑前と大坂渡辺村商人
 はじめに
 九州藩領にみる大坂渡辺村皮商人
 豊後府内藩と大坂渡辺村商人
 豊前小倉藩と大坂渡辺村商人
 筑前福岡藩と大坂渡辺村商人
 おわりに

V 近世初頭かわた(皮屋)・長吏集団のキリスト教受容
 はじめに
 第一章 キリスト教伝来から宣教師追放令(一六一四年)にいたるまで
 第二章 キリシタン禁制下の迫害期(一六一四年〜一六三〇年代)
 第三章 キリシタン潜伏期の始まり(一六三〇年代〜)
 おわりに

W 非人と呼ばれた人びと
 「犯科帳」にみる非人集団
 はじめに
 非人集団の形成
 非人の犯罪
 非人の仕事
 市中清掃に係わって
 芸能に関すること
 おわりに

X 浦上四番崩れと被差別部落
 はじめに
 「四番崩れ」事件で警察・刑吏役を務めた部落
 キリシタンとしての長崎・皮屋町
 潜伏キリシタンとして
 「かわた」(かわや)のキリスト教受容
 おわりに
成長率ゼロの時代を生きた庶民の暮らし 長崎編(藤澤秀雄)

 阿南重幸編著
 編集発行:2009年3月31日 長崎人権研究所
 A5版,220頁
 頒価:1500円

「部落問題と人権のいま 考え・学習する視点」

 はじめに・・・編集部
 これからの部落差別をなくすとりくみにおいて考えたい視点−多様性・複合差別・グローカル・わたし・・・熊本 理抄
 部落史に学ぶ−新たな見方・考え方に立った学習の視点・・・外川 正明
 2001年度「人権に関する県民意識調査」を読む・・・藤澤 秀雄


 本書は2002年6月,佐世保市と長崎市で開催された「〈部落問題を考える〉人権講座2002」の報告集である。本年3月部落問題に関する「特別措置法」が終了し,「人権教育・啓発の推進に関する法律」(2000年12月)が制定されたように,今日部落問題を取り巻く情勢は運動/教育/行政それぞれの分野で変化の兆しを見せている。端的に言えば,これまでの「同和対策事業」から「人権啓発」を主としたソフト面への移行であり,このことに対応する意味での変化である。
 しかし,法律の変化とは別に部落問題のとらえ方,同和教育や部落史研究もいま確実に変化を余儀なくされている。ここではその理由には触れないが,本書に収められた3氏の論考は本書のタイトルでもある「部落問題と人権のいま」をしっかり見据えた「考え・学習する視点」を指し示すものである。

熊本 理抄
 反差別国際運動日本委員会(IMADR−JC)事務局長を経て、現在、近畿大学人権問題研究所講師
 共著書「マイノリティ女性が世界を変える!マイノリティ女性に対する複合差別」(解放出版社)、「国連からみた日本の人種差別」(解放出版社)など

外川 正明
 京都市立永松記念教育センター研究課、京都教育大学・京都工芸繊維大学非常勤講師。京都市小学校同和教育研究会幹事、京都部落問題研究資料センター運営委員、NPO人権ネットワーク・ウェーブ21副理事長
 著書「部落史に学ぶ−新たな見方・考え方に立った学習の展開−」(解放出版社)、「教育不平等−同和教育から問う『教育改革』−」(解放出版社)

藤澤 秀雄
 長崎県部落史研究所所長
 1993年長崎県が行った「人権と同和問題についての意識調査」の分析を行い、「『人権と同和問題についての意識調査』について」(「論集 長崎の部落史と部落問題」1998年)で報告。論文として、「長崎県における初期の融和運動並びに部落改善事業について」(「論集 長崎の部落史」1992年)など

 編集発行:2002年10月20日 長崎県部落史研究所
 A6版,110頁
 定価:700円

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教材資料集「・・・を50分で学習する」 品切れ(増刷を計画中です)
●参加型学習の展開と,「人権」を考える授業●

〈はじめに‐本書刊行の意図〉
〈人権感覚を育む〉
 セルフエスティームを高めるために
 コミュニケーションの力を高める
 アサーティブネス(非攻撃的自己主張)の力を高める
 多様性に気づく―ちがいのちがい―
〈参加型学習の展開〉
 ロールプレイ・ディベート「する子・される子・見ている子」
 「けがれ」って何?―差別と偏見
 はじめての(?)部落問題学習
 インターネットと人権〜”人権”ホームページアドレス帳をつくろう〜
 わたしたちの行動計画
〈人権を考える授業〉
 時間をたどる―江戸時代「部落」の歴史
 「解放令」と学校建設
 「水平社宣言」と日本国憲法
 寝たきりだってハワイに―障害について考える
 ハンセン病と人権〜わたしの人間を返してください〜
 女性差別(ジェンダー)
〈フィールドワーク〉
 長崎原爆を歩く―被爆遺構めぐり
 長崎の部落史を歩く
〈考えてほしいこと〉
 体験的参加型学習の力を再考する
 人権教育と総合的な学習の時間〜「福祉」を窓口に〜
〈あとがき〉


 これまでも同和教育の授業で,さまざまな部落問題に関する学習活動が行われてきました。しかしそれらが必ずしも満足な結果を示したかというと,決してそうではありません。たとえば,部落の歴史を学ぶことにより,差別が強調されるあまり,逆に差別の悲惨さのみに関心がはらわれ,かえって部落をマイナスイメージに塗りつぶしたまま授業が行われることがありました。豊富な部落史像が描かれなければ,この悪循環からは抜け出せないでしょう。部落史の転換はその意味でとても重要な視点です。現在の部落問題として学習素材に取り上げられる結婚差別は,決して部落問題としてのみ起こる問題ではありません。就職差別もしかりです。ここらで一度,これまでの部落問題学習を問い直し,人権教育の視点にたった授業の展開が求められているのだと思います。
 今回の教材資料集作成の,大きなポイントは,従来見られた「こんな差別がありますよ」という,いわゆる差別告発型の授業形態から,「差別」を克服するには,どうしたらいいのかという視点に授業のポイントを移行しようとしたことです。


 編集:教材資料集「・・・を50分で学習する」編集委員会
 発行:2002年5月 長崎県部落史研究所
 B5版,100頁
 定価:1,500円
 

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「時間を歩く―長崎の部落史を訪れて」 
品切れ

差別の原因を探る−プロローグ
  「世間」
  社会的身分とは何か
  スケープ・ゴート
  偏見のステレオタイプ
水平社宣言に見る「部落」の歴史
  人間としての宣言
  いたわるということ
  水平社宣言
「部落」の歴史を見る−近世−
  近世「被差別」部落の成立
   町造りと部落
   所領では
  差別の具体像
   藩による差別政策の展開
   居住地の制限
   「身分」呼称の変遷
  近世「被差別」部落の生業と役割
   対馬藩の皮革業
   諫早領の皮革業
   貿易による皮革業
   治安維持のために
   武道場
「部落」の歴史を見る−近代−
  「解放」令と「部落」
   「解放」令の意味
   「四民平等」とは
   「異民族起源」の流布、貧困−優勝劣敗
  「部落」に学校ができる
  部落改善運動が起こる
  融和行政の展開
  長崎県水平社の設立
近代の部落問題を考える上で
  「解放」令をめぐって
  部落はどのように認識(理解)されていたのか
  近代初期の解放思想と部落解放運動
  水平社の思想とその運動
おわりに
参考文献
部落史の授業をめぐって −価値観に縛られないで−


 最近長崎市内で、被差別部落の移転をたどるフィールドワークをすることが多い。2時間、4キロの行程を参加者は、用意された古地図を片手に歩む。
 ふと気付いたことがあった。それは、時間は歩けるということだ。
 出発地はおよそ400年前、皮田町があった現在の幸町。眼鏡橋が架かる中島川を通り、毛皮田町にいたる(現諏訪町)。旧街道を歩き、西坂の26聖人記念館にたどり着く。このあたりが、350年前、移転した地。それから100年後、浦上に。原爆犠牲者慰霊塔が立つ墓地で、旅が終わる。
 この旅をすると、時々の部落の人たちの生活が見えてくるから、不思議だ。かけ声も勇ましく、川岸で皮の積み卸しをしたり、鞣しの作業。付近で子どもたちがかけずり回る。西坂の高台からは、オランダや中国の船が見える。いかにものんびりした風景だ。
 本誌は、「部落の歴史から見えるもの」(長崎県教育委員会)に手を加え、後編に、筆者なりの部落史の見方を提案したものである。

 著者:阿南 重幸
 発行:1998年7月20日 長崎県同和教育研究協議会
 頒価:600円

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「あかし―部落史教材資料集」

第T章 近世初期の被差別部落
 1.「かわた」町の成立と近世身分制度
 2.長崎における近世身分制度の確立
第U章 近世中・後期の被差別部落
 1.対馬藩での部落の形成
 2.差別政策の強化
 3.差別への抵抗
 4.浦上四番崩れ事件
第V章 日本の近代化と部落問題
 1.「解放令」と被差別部落
 2.学校建設の闘い
第W章 水平社運動と部落の生活
 1.福岡連隊事件と長崎水平社結成
 2.長崎の水平社運動
 3.部落の産業
第X章 戦前・戦中の被差別部落
 1.部落の暮らし
 2.原子雲の下で
第Y章 戦後の部落問題
 部落抹消が行われた「戦後」
第Z章 今日の部落問題
 1.部落解放運動と同和教育・同和行政
 2.現在の部落問題
長崎県被差別部落史関係年表

 教材資料集の作成は、私ども研究所の長年の懸案事項であった。それは、「研究の成果が地域の教育や運動に資する」という意味において、また、部落史の研究が単に「研究」としてあってはならないという意味で、この資料集は、今日における長崎の被差別部落史をふりかえる一定の目安を示したともいえる。

 編集:「あかし」編集委員会
 発行:1994年8月20日 長崎県部落史研究所
 定価:1,500円

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「論集 長崎の部落史と部落問題」

第一部 現在の部落問題
 「人権と同和問題についての意識調査」について・・・藤澤 秀雄
 部落問題に関する教職員の意識・・・高島 典夫
 長崎県の被差別部落史と現況・・・磯本 恒信
第二部 近代の部落問題
 近代社会と部落差別・・・阿南 重幸
 長崎の水平社運動覚書・・・阿南 重幸
第三部 卑賤観と身分
 卑賤観と身分<キリシタン時代>・・・姫野 順一
 卑賤観と身分<鎖国時代>・・・姫野 順一
 卑賤観と身分<幕末開港時代>・・・姫野 順一
第四部 諸藩の被差別部落史
 対馬藩の皮革生産について・・・中村 正夫
 諫早領の被差別民・・・中村 久子
 肥前諫早領での近世「被差別」部落の形成とその役割・・・阿南 重幸
 島原藩における被差別部落の歴史について・・・姫野 順一
 幕末(天保−安政期)における島原藩の被差別部落・・・姫野 順一
 キリシタンと部落問題・・・上杉 聰
 わき起こる疑問をノートに−五島藩の差別構造−・・・阿南 重幸

 発行:1998年3月15日 長崎県部落史研究所
 A5判 392頁
 頒価:3,500円

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「ふるさとは一瞬にして消えた」
   長崎・浦上町の被爆といま

序にかえて・・・中尾 貫
一、長崎の部落と被爆・・・磯本 恒信
二、ながさき原爆と被差別部落・・・阿南 重幸
三、被爆と、その後−聞き書き

 ふるさとは、一瞬にして消えた
 子どもたちの看病と死と
 二つの誕生日
 光がパッときて
 家が倒れてくる夢
 被爆後、三日目
 結婚後の五年半
 被爆と後遺症と
 疎開工場で
 妹の骨は、やはりあった
四、被爆後、そしていま−座談会

序にかえて
 たった一発の原爆は,それは,あまりにも恐ろしいものであった。たった一発で被差別部落浦上町は完全に消滅した。きっとこれからも,ウラカミはもう二度と再生することはないと思った。でも,ウラカミの者「町内のもん」の魂はいつまでも生きつづけていくであろう。被爆後,長崎に残った人たちは「長崎郷土親興会」をつくり,大阪では「親友会」が組織された。また,全国に散在した部落の仲間たちに「原爆犠牲者慰霊塔」と「涙痕の碑」の建設を呼びかけた。
 8月9日,人びとは,各地から供養法要に参列するために,故郷ウラカミに帰ってくる。親興会には梅本光男さん,長門隆明さん,高岡良雄さんらを中心に,被爆前のもとの浦上部落とほぼ近い世帯が加入し,これを母体としてのちに部落解放同盟長崎支部が感動的ななかで結成されていった。
 あれから50年。核兵器が東西冷戦のなかで,肥大化し,一触即発の危機をむかえたこともあった。なんとかその危機は回避されたが,いまなお多くの核兵器が存在する。今年,核不拡散条約(NPT)の無期限延長が決定され,核兵器廃絶が究極の目標であることを再確認されながら,中国は核実験を行っているし,フランスは核実験を再開した。
 国内においては,50年目にして,「被爆者援護法」が国会で成立した。政治の世界から見ると,このことは一定の前進であろうが,被爆者の願いからかけ離れたものであるのは間違いない。国家補償の明記,国の戦争責任の反省をこそ求めているのである。
 本書は被差別部落ウラカミの被爆体験を克明に記したものである。部落差別と被爆という二つの体験を後世に伝え,このあやまちをくりかえさぬための一助になればと思う。

 編者:長崎県部落史研究所
 発行:1995年10月25日 解放出版社
 定価:1,700円

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「論集 長崎の部落史」

近世編
 天領長崎における被差別部落の形成と経済生活についての覚書・・・姫野 順一
 天領長崎の幕末期における皮屋町−「役の者」の生活について−・・・姫野 順一
 天領長崎における非人制度の確立と展開・・・姫野 順一
 浦上四番崩れ事件−部落民・キリシタン・神道・仏教者と奉行所との諸関係をめぐって−・・・姫野 順一
 キリシタン迫害と差別・・・結城 了悟
 賤が里の伝承−伝・憶良歌「天乙女また釣するも」−・・・若木 太一
 長崎の風土と被差別部落史租考・・・磯本 恒信
近代編
 長崎における近代被差別部落の出発−史料紹介を主にして−・・・阿南 重幸
 身分「解放」令と被差別部落の「自覚」運動・・・阿南 重幸
 長崎の新聞に掲載された被差別部落に関する記事について−『九州日の出新聞』の場合−・・・園田 尚弘
 近代長崎のジャーナリズムにみる被差別部落−「解放」令から長崎水平社まで−・・・園田 尚弘
 『長崎県統計書』にみる皮革産業の変遷−部落産業としての皮革産業を視点として−・・・磯本 恒之
 長崎県における初期の融和運動並びに部落改善事業について・・・藤澤 秀雄
 明治中期における「解放」の思想−柳瀬勁堂の被差別部落史研究−・・・岩松 繁俊
 原爆被爆者における”差別者・被差別者“の二重構造・・・岩松 繁俊

「刊行のことば」より
 これは,わが長崎県部落史研究所が毎年2回刊行してきた「ながさき部落解放研究」の中から近世・近代の部落史に関する論文を抜粋してまとめた論文集であります。
 長崎県に再び解放の火が燃え上がってから20年が経過しておりますが,この間,全国的に部落解放運動が広がり,その成果として部落史の研究も大いに進み,九州にも各県に部落史の研究機関が設けられて,九州における部落の歴史も次第に明らかになってきました。
 それは,一口に言えば部落の歴史は画一的ではないということです。部落の起源,部落に対する呼称,部落の主たる職業,部落に対する支配構造などは様々なものであります。
 それ故,各部落ごとに丁寧に歴史を調べていかねばなりません。
 幕府の直轄であった長崎,譜代大名の支配地であった南高・島原,佐賀藩の飛び地であった諫早・深堀・土着の宗,松浦,大村,五島の他外様大名の支配していた,対馬,壱岐・松浦・北松・平戸・佐世保,大村・東彼・西彼,五島列島からなる長崎県には六十余の部落があると言われています。しかし,その多くは極めて小規模です。
 1940年(昭和15),島原で開催された「融和事業中堅人物養成講習会」において,協議事項の一つとして長崎県から「小地区ニ於ケル融和事業ノ指導方針ニ付承リ度」が提出されているように,少数点在の部落が沢山あり,これらの部落の歴史を解明し,解放を進めていくことは大変困難です。
 しかしながら県内すべての部落について,その解明を進めなければ部落の完全解放を実現することはできません。
 私どもの力の足りなさから,これまでに解明できた県内の部落の歴史はほんの一部にしか過ぎません。本書の刊行には,このことによって県内外の多くの人々に関心をもっていただき。不十分な研究体制にたいして一層のご協力をお願いしたいという気持ちが込められています。
 今後より一層努力して,今回掲載することのできなかった残り大部分の部落の歴史について明らかにしていくことに本書の刊行が大いに寄与できればと期待しています。
 どうか,この趣旨を汲み取っていただき,これまで以上のご協力を頂ければ幸いです。

 発行:1992年 長崎県部落史研究所
 頒価:3,500円

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「涙痕(るいこん)」 品切れ

はじめに・・・編集部
押さえがたい怒りの歴史と原爆・・・磯本 恒信
  はじめに
  海外交易と部落
  島原の部落
  被差別者同士が血で血を洗う
  戦争と原爆は最大の差別であった
  人も土地も職も奪われて
  忘れがたい浦上の故郷
私がその部落民だ−長崎に生きて・・・磯本 恒信
長崎県の被差別部落史 資料・・・編集部
I am that Burakumin −Living in Nagasaki−・・・MUP長崎


 長崎で戦後、部落解放運動が公然と語り出されてすでに19年が経過した。原爆で離散していった人々が組織の建設と住宅要求によって再び故郷の地を踏むことができるまでどれだけの苦難を経たことであろうか。表紙タイトルの「涙痕」とは「浦上町原爆犠牲者慰霊塔」の脇に据えられた碑に刻まれた言葉である。
 本書は『よき日えの軌跡』(磯本恒信・長崎県部落史研究所)の「序にかえて−押さえがたい怒りの歴史と原爆」と『ながさき部落解放研究』創刊号に掲載された「私がその部落民だ−長崎に生きて」の2つで内容が構成されている。「部落史資料」は長崎県の部落史に限ってできるだけ詳しく作成された。合わせて参照されるとより理解の助けとなると思う。
 通訳グループ「MUP長崎」の助けを借りて一部の英訳をしていただいた。英語文化圏に被差別部落が存在するはずもなく、その翻訳には概念規定など随分とご苦労をいただいたと思う。私どもとしても始めての試みであり、多少の戸惑いはもったが「外国語」という第三者を通して部落問題を考える機会がもてることは大きな一歩になることと思われる。
 ともあれ本書が部落問題を考える読み物としてあるいはテキストとして多くの方々にご活用いただけるよう願って止まない。(編集部)

 編集・発行:1992年8月1日 長崎県部落史研究所
 定価:700円

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「よき日えの軌跡」 品切れ

T 押さえがたい怒りの歴史と原爆−序にかえて−
U 長崎県の被差別部落の現況
V 長崎の風土と被差別部落史祖考
W 宗教と部落の生活
X 平戸藩の被差別部落史と風土
Y 部落差別と戦争
Z 美しい自然の南の島
[ 解放の人間像
\ ソ連かけ足旅

「あとがき」から
 こんにち,部落解放の取り組みは,行政や学校教育,企業,宗教,社会教育,労働の各分野で大きな拡がりをみせています。
 特に,全国の仲間や関係者から,大変評価されているのが,ナガサキの行政の姿勢と対応です。
 部落の抹殺を策動した差別行政を抜本的に総括し,解放のための「本音」の行政確立を常に最重要課題に追求してきたからかも知れません。
 いまから5年前,すすめられ,約20年間資料収集,調査研究してきた集約として「長崎の風土と被差別部落史祖考」を刊行しました。郷土史研究者や県民各層の方々から,長崎の部落の通史というので,かなりの反響を呼び,第4版まで刷りました。
 私が話した内容を文章化し,読み返してみますと,言いたりないところ,論理的弱点など気付かれてなりません。どなたでもご理解できるようにと考えましたが,時間的制約のなかで意のままになりません。
 私の独力で,このような企画をすることはとてもできないことです。長崎県部落史研究所の阿南重幸事務局長が企画し,私の話をテープから文章へと,その苦労は大変なものであったろうと思います。
 ただ解放への真意をくみとっていただければ幸いです。
 最後に,本書を世に出すにあたって,大変ご迷惑をおかけした方々に感謝の意を捧げます。

 著者:磯本恒信
 編集・発行:1985年7月10日 長崎県部落史研究所
 定価:1,300円

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「長崎の風土と被差別部落史祖考」 品切れ

南蛮貿易の島
切支丹と長崎開港
切支丹の町「教会領」
秀吉と切支丹
家康と切支丹禁止令
封建的統一と奉行
長崎の部落
大音寺私記と部落
近世身分制の確立
強制移住、西坂から馬込へ
長崎犯科帳
乙名と目利
切支丹と部落民
部落と宗教
部落産業と「旅」
長崎浦上部落の戦争体験と平和闘争
私がその部落民だ−長崎に生きて

 著者:磯本恒信
 発行:1980年 部落解放同盟長崎県連合会・長崎県部落史研究所
 頒布実費:450円


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