新たな飛躍をめざして 所長 藤澤秀雄
本年度から「はがき通信」に替えて『研究所情報』を季刊で発行することに致しました。葉書では紙面が小さく、通信の分量が限られ、かねがね念願していたのですが、経費のこともあり延び延びになっていました。然しながら、Eメールの利用者は増大し、ホームページを個人で開設する人々も急速に増えるなど、電子通信分野の発展は凄まじく、また郵便局も法人化されるなど、通信業務全般にわたる社会の変貌は著しいものがあります。更に又、国連が1995年に第49回の総会で「人権教育のための国連十年」の宣言を採択するなど、国際的な規模で人権問題についての取り組みが為されるようになり、これを受けて我が国でも、同和行政や同和教育に関する各地の行政組織や運動体において、組織の名称変更や編成替え、更には活動の見直しなどが行われています。そして、研究組織に対しても、部落史の研究のみに限定されない、広く人権問題に視点を向けた取り組みが要求されて来ています。
とは言え、独りで何もかもが出来る訳ではありません。先ずはホームページを開設し、これを機会に「はがき通信」を『研究所情報』に替え、連絡業務や活動報告の通信範囲を拡大し、情報の提供量も豊富に出来るようにしました。そして、これまでに当研究所が蓄積してきた部落史研究の成果を収めた出版物を広く紹介し、また講演会等への講師派遣やフイルドワーク研修などの啓発活動の報告も行い、研究所が身近な存在と感じられるよう努力したい所存です。既に昨年は、長崎市と佐世保市の二箇所で「〈部落問題を考える〉人権講座・2002」を開催し、部落問題を通して‘人権’を考える視野を広めた講座として好評を得ております(本年も6月に開催予定)。また、長崎県が実施した「人権に関わる県民意識調査」には計画の立案段階から協力し、調査結果の分析に取り組み『平成13年度意識調査報告書』の作成に貢献しました。
本年5月には、部落解放第23回全九州研究集会が長崎市で開催され、県内外から六千人の人々が参集します。この第4分科会「部落史研究」では研究所からの報告も含まれて居ります。皆様方のより一層のご協力を賜り、研究集会が成功し、更にまた研究所が大きく飛躍出来ますようお願い申し上げます。(写真は昨年5月の「人権講座」で) |
コラム
これまでの「はがき通信」は第24号で終刊とし、これに替えてA4版4頁の「研究所情報」を季刊で発行することと相成りましたが、その創刊号は第25号として号数を引き継ぐこととしました。
「はがき通信」は役割を終えたのではなく、紙面が大幅に拡大され、また5月に開設されるホームページにも掲載することにより、情報提供の範囲は研究所の会員内に留まらず、大きく広がり、内容もまた豊富にすることが出来るようになるなど、発展的な解消を遂げたという理由によるからです。
これからは研究活動のみならず啓発活動にも情報発信の機能を担っていきます。今後とも、どうか宜しく御願い致します。
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<部落問題と人権を考える>講座・2003
本年度「人権講座」が次のように決まりました。 講座は下記のお二人で、いずれも福岡で人権に係わる様々な分野でご活躍されています。
なお、事前に参加の申し込みをお願い致します。
● 長崎会場
期日:2003年6月28日(土) 13:30〜16:30
場所:長崎県教育文化会館(筑後町2の1 095-822-5195)
● 大村会場
期日:2003年6月29日(日) 9:30〜12:30
場所:大村市民会館(東本町574 0957-52-2739)
参加費 1,000円
講師プロフィール
○金 泰泳(キム テヨン:福岡教育大学助教授)
テーマ:「アイデンティティ・ポリティクスを越えて」
1963年生まれ
大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了
共著書『親と子がみた在日韓国・朝鮮人白書』(明石書店)
『アイデンティティ・ポリティクスを超えて』(世界思想社)等
○西尾紀臣(ニシオ ノリオミ:福岡市人権啓発センター)
テーマ:「人権啓発センターと私」
1940年生まれ
毎日新聞社佐世保・佐賀・宮崎・大分の各支局長を歴任。
部落問題の企画に係わり、95年退社。96年から福岡市の市民啓発推進指導員、98年から同市市民局人権啓発推進指導員。福岡県講師団講師。ジャーナリスト。
参加のお申し込みは(095-847-8690,Fax095-847-8696) まで
主催 長崎県部落史研究所
後援 長崎県・長崎県教育委員会,長崎市・長崎市教育委員会,大村市・大村市教育委員会,長崎県人権教育研究協議会,長崎市同和教育研究会,大村東彼地区同和教育研究協議会,部落解放同盟長崎県連合会
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