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「研究所情報」第31号 2004年10月31日

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 特定非営利活動法人長崎人権研究所 本年9月1日設立!

 長崎人権研究所は、本年6月6日に長崎県部落史研究所から移行を決定し、特定非営利活動法人(NPO)への申請を長崎県に対して行っていましたが、8月認可され、法務局への登記を終え、9月1日正式に発足しました。9月4日(土)には、第一回理事会が招集され、(第一号議案)職員の任免、(第2号議案)事務局の組織及び運営に関する事項、等が審議されました。
 このうち、第2号議案では、「細則」及び「諸規定」が提案され、企画運営委員会の設置、また研究員・講師団の設置が決定されました。これら諸組織は今秋中には、整備されこれからの研究所活動の中核となる組織となります。
 この法人の(目的)は、「部落問題を始め様々な人権問題の研究並びに人権啓発にかかわる事業を推進」とあり、(活動の種類)を、(1)人権の擁護又は平和の推進(2)学術または文化の振興(3)社会教育の推進と定めています。従って、(事業)は、@人権問題の調査・研究A人権問題にかかわる啓発B出版物の刊行・図書等資料の収集を骨格とします。従来の目的が「部落史の研究」でしたので、大きく枠組みが広がっており、これら事業を展開していくためには、先の諸組織の整備充実が早急に求められます。 なにとぞ、皆様のお力をお貸し頂くようお願い申し上げます。
 なお、関係諸機関には、組織改編の旨文書でお知らせ致しておりますが、行き届かない面はご容赦下さい。

 コラム
 「特定非営利活動法人」、ずいぶん長い名前で、銀行の通帳、封筒、文書、その他この名前を頭に付けないといけない。略して、NPO法人でも良いのだろうが、正式名称となると、どうしても、この冠がつく。当初は、非営利を先に持ってきたりとまどった。設立総会を行い、長崎県に申請して、許可されれば、法務局へ登記、税務署へ開設願いを出し、収益事業と認定されればその届けも出す。ずいぶんと、たいへんな手続きだった。さて、肝心の事業といえば、これからである。これで良いのだろうか?と不安いっぱいの今日この頃。日常業務は、相変わらずで、仕事量が相当増えたと感じるのは、私だけなんでしょう。こんな不安を気楽に解消していただけるところが、在れば。

□ 第23回九州地区部落解放史研究集会(於:熊本)
 8月23日・24日熊本県総合福祉センターにおいて、表記研究集会が開催されました。主催は、九州地区部落解放史研究協議会と熊本県部落解放研究会、沖縄を除く九州各県が持ち回りで行う集会です。目的に、(1)部落解放史研究と同和教育の結合をめざし、部落史・部落問題学習の確かで豊かな内容を想像する。(2)九州各県の研究活動の交流と連帯に学び、今後のよりよき展望を探る。と在ります。本研究集会は、@「農民運動と水平社」内田敬介(熊本)、A「高松結婚差別裁判糾弾闘争」安蘇龍生(福岡)B「宗家史料にみる対馬の被差別部落」山下信哉(長崎)の三本の報告があり、それぞれ質疑・討論が行われました。
 このうち、山下氏の報告(前ページ写真)は、ここ数年に及ぶ史料解読会の蓄積が生み出した報告で、従来の対馬部落史研究の成果を受け継ぎ発展・深化させたものでした。紹介された史料数は、新しいものを含め29点に及び、対馬への「えた」身分の招致は産業振興政策の一環で、紙漉き職人などとともに、「諸職人を招致し、国産諸品を邦内で製造させ、金銭が他国へ流出することをできるだけ少なくなるよう」「役々江相達候」が最初の要因であること、「えた」身分招致後の身分にかかわる領内の混乱、身分制度の徹底、また幕末期の朝鮮貿易において年間15,000枚に登る牛皮の輸入があったこと、等が報告されました。
 対馬藩の研究には、佐賀部落解放研究所の中村久子氏の全面的なご協力を得て進めていますが、今後、新資料の発掘も含め継続していきます。

雑誌『部落解放』540号(2004/10月号)
「長崎のキリシタン弾圧と部落問題」を特集
 ●[座談会]
  カトリックと被差別部落の出会い直し
     本島 等/谷 大二/阿南重幸/
         コーディネーター・上杉聰
 ●尊い犠牲と対立の悲劇 三俣俊二
    浦上四番崩れをキリシタン史からとらえる
 ●キリシタン迫害と被差別部落 阿南重幸
    浦上四番崩れ事件の検証をとおして
 解放出版社から発行されている、『部落解放』10月号では、長崎を舞台とする「キリシタン弾圧と部落問題」についての特集が組まれている。
 幕末から明治初年にかけて、長崎では、江戸時代の潜伏キリシタン約3400名が、浦上を中 心に一村総流罪となる事件が起きている。この特集は、この事件に至る部落とキリスト教との関わりを、禁教令が出される江戸初期へさかのぼって、検証しようとするものである。
 カトリック部落問題委員会の数年に渡るこの問題への取り組みが、このような特集を生み出した事に、感謝したい。
 なお、ご希望の方は当研究所へご連絡下さい。

お知らせ
●「史料解読会」のお知らせ
11月27日(土)13時30分〜16時 銭座集会所
テーマ  「対馬朝鮮貿易」関係史料

(予定) 部落解放学習会(11月18日)
フィールドワーク指導員養成講座(12月初旬)


■ 第2回ながさき人権高座
 ながさき県民大学連携講座・平成16年度人権・同和問題講演会
 ■前期:お笑い人権高座 落語家 桂こけ枝
  11月24日(水) 14:00〜16:00 松浦市 生涯学習センター”きらきら21”
  11月25日(木) 14:00〜16:00 島原市 島原文化会館
 ■後期:お笑い人権高座 落語家 露の新治
  11月30日(火) 13:30〜15:30 対馬市 つしまベルフォーレ
  12月1日(水) 13:30〜15:30 諫早市 ホテルセンリュウ
 主催:長崎県・長崎県教育委員会・長崎県人権尊重社会づくり運動推進協議会

■ 第5回ながさき人権フェスティバル
  とき:平成16年12月4日(土)10:00〜16:30
  (オープニングセレモニー 13:00〜)
  ところ:アルカスSASEBO
 ●オープニングセレモニー 13:00〜
 ●松千ミニコンサート 13:00〜
 ●人権標語コンクール表彰式 13:15〜
 ●遙洋子 講演会「あなたらしく、私らしく」 13:30〜
 ●サンディトリップコンサート 15:00〜
 ●トライ・ヴォイセスコンサート 15:30〜

 入場無料(但し、中ホールにおける式典、講演会、コンサートに入場いただけるのは先着500名様となっております。)
 ※手話通訳、要約筆記、託児有り(生後6カ月以上)

 関連イベント 10:00〜16:30
 ●人権啓発パネル展(交流スクエア)
 ●ハンセン病関係写真パネル展(交流スクエア)
 ●人権標語コンクール作品展(中ホールホワイエ)
 ●法務なんでも相談コーナー(3F中・小会議室)
 ●子ども劇場 人形劇(3F大会議室)
 ●CAP(3F大会議室)
  CAP(子どもへの暴力防止)とは...
 ●読み聞かせ教室

■お問合せ先:長崎県県民生活環境部人権・同和対策室 TEL095−826−2585
■主催:長崎県人権啓発活動ネットワーク協議会・長崎県・長崎県教育委員会・佐世保市・佐世保市教育委員会・ 長崎地方法務局・長崎県人権擁護委員連合会・長崎県人権尊重社会づくり運動推進協議会

 最近の受入図書(●は寄贈)
●『なら人権スポット探訪』(奈良市人権啓発センター,02.3)【CD版】
●『アジアの身分制と差別』(部落解放・人権研究所,04.9)
●『つくりかえられる徴』(黒川みどり ,部落解放・人権研究所,04.11)
●『信州・佐久の仕事とくらし』(佐藤敬子,04.8)
●『五郎兵衛新田村宗門改帳の研究』(浅科村教育委員会,04.3)
○『長崎遊学1 原爆被災地跡に平和を学ぶ』 (長崎文献社,04.8)
○『続・長崎にあって哲学する)』(高橋眞司,北樹出版,04.8)
○『金沢・大聖寺・富山に流された浦上キリシタン』(三俣俊二,聖母の騎士社,00.1)
○『東北のキリシタン殉教地をゆく』(高木一雄,聖母の騎士社,01.3)
○『鳥の目と虫の目で見る部落史』(石瀧豊美,イシタキ人権学研究所,03.6)
○『身分が見える、身分がわかる』(石瀧豊美,イシタキ人権学研究所,03.6)
○『解死人の風景』(石瀧豊美,イシタキ人権学研究所,03.4)
○『筑前竹槍一揆の研究』(石瀧豊美,イシタキ人権学研究所,04.10)

(定期刊行物)−(一部)
●『部落解放史ふくおか』第115号(福岡県人権研究所,04.9)
●『明日を拓く』第56号(東日本部落解放研究所,04.6)
●『部落解放研究』第159〜160号(部落解放人権研究所,04.8,10)
○『部落問題研究』第169〜170号(部落問題研究所,04.9)
●『ひょうご部落解放』第114号(ひょうご部落解放・人権研究所,04.9)
●『部落解放』第539号〜541号(解放出版社,04.9.10.11)
○『人権と部落問題』第720〜723号(部落問題研究所,04.8.9.10)
○『解放教育』第440〜442号(解放教育研究会,04.8.9.10)
○『ヒューマンライツ』第197〜199号(部落解放人権研究所,04.8.9.10)
○『こぺる』第137〜139号(こぺる刊行会,04.8.9.10)
○『ウィンズ』第39号(福岡県人権・同和教育研究協議会)
●『関西大学人権問題研究室紀要』第49号(関西大学人権問題研究室,04.8)



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