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「研究所情報」第43号 2007年11月30日

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「人権に関する意識調査」(長崎市)が公表される!

 長崎市は、昨年人権に関する市民意識調査」結果を公表している。すでに、「もやい」54号で松尾洋氏(長崎市人権教育研究会)がその概要を分析されているが、ここではその結果浮かび上がった課題について簡単に紹介しておく。「人権教育啓発推進法」時代を向かえて、私たちはその根拠となる調査結果に忠実でなければならない。特に「同和」問題について、なおかつ厳しい現状をいかに克服していくのか。それは教育、啓発またその方法、内容等多岐にわたって考える必要がある。
 実は驚いた結果が示されたのである。「差別意識の有無」の有無について、調査では「まだある」「どちらかといえばまだある」を加えると44.6%と高い回答があった。しかも、「解決への展望」では、悲観的な傾向が見られた。「なくすことができる」は31.3%に対して「なくすことは難しい」が 46.4%に のぼっている。この傾向は、先に公表された「県民意識調査」でも同様である。「ある」は二通りの解釈ができる。いい意味で長崎市民が差別の現実を認識しているということ、しかし、その現状は厳しいものといわざるを得ない。それは「展望」で示された「できる」という回答率の低さをみれば納得できる。であるならば、差別意識の「ある」が減少する社会づくりが推進され、なくすことが「できる」と思える社会づくりが今後の課題となる。
 そのために、必要とされることは何か。それは解決あるいは克服へのプロセスをこれまでの取り組みに学ぶことだ。そのキーワードは「変化」だと思う。「部落」の変化、「意識」の変化この30有余年のそれを注目して見ることだ。
 教育啓発推進法時代の深化が今こそ問われている。

 コラム
 今年も早ひと月で幕が閉じようとしている。忘年会の日程組みに苦労している方も多いと思う。それにしても最近の日本はなんだかとても変だ。長引く年金問題(もらえるかな)、防衛省を取り巻く疑惑(どこまで)、食品偽装(早く明るみにした方がよい)、全般的な福祉の切り捨て(病院がない所も)、ワーキングプアーなる層の誕生(なんだこれは)、一生懸命に学べば、働けばそこそこ食べることの困らない、老後もそこそこ生きていけるなどと気楽に考えているととんでもない落とし穴が待っていそうだ(私がそう)。頼みますよ日本の政治(本当に)、とお願いしてもその政治にどうも信頼を置けないようでは、どうしたらいい?先が見えない。一部の人たちに莫大な利益をもたらして、大多数がこれでは堪ったものではない。そろそろ望まれる政治に立ち戻ってほしい。忘年会は愚痴の言い合い、不幸比べ、いや私の方が、いや私の方が、とならなければよいのだが。(あ)

人権啓発推進指導者養成講座ー2007
セミナー<企業と人権>開催

 本年9月から11月に渡って、上記セミナーが佐世保・長崎両会場で開催された。
 9月は近畿大学の奥田均氏とNEC九州の脇田五典氏、奥田氏は「土地差別の現実」を大阪にある1,5000社の宅建業者の調査から「取引物件が同和地区はどうか」との質問を受けたことがあるとの回答が半数以上あり、しかも増えていることから明らかにし、土地の価格にも差があることが報告された。また、部落差別は「見なされる差別」でありそのことが忌避意識を生み、それは社会的に「躾(しつ)けられる」わけで、「それなら、差別撤廃も社会的に躾けていくことは可能ではないか」と結論づけた。脇田氏はNEC社内の人権啓発の取り組みについて報告。
 10月も佐世保・長崎でそれぞれ大阪峰町教育委員会の岡田耕治氏、(株)インターネットプライバシー研究所の高木寛氏が講演した。岡田氏は「対話からはじまる人権学習」と銘打ち、温める→対話する→聞く→深めるの順序で、参加者相互の対話を通しながら知的理解となによりも人権感覚の大切さを重視したワークショップを展開して頂いた。高木氏は「インターネット社会における企業と人権」と題し、(1)企業自体が人権侵害(2)企業の社員・関係者が人権侵害(3)企業が被害者になる(4)社員が被害者とならないために(5)社会権とインターネットとの項目で今日の使い方でとても「危ない」ネット社会に警鐘を鳴らした。
 11月は、このセミナーでは初めてのフィールドワークが行われた。「長崎の部落史を歩く」のコースで参加者は少なかったものの長崎の歴史を通して部落問題やキリスト教の歩みを学習した。

●進路・学力保障研修会の開催

 「進路保障研修会」を「進路・学力保障研修会」と改め,幅広い校種の参加者を募って3年目になる「第17回長崎県進路・学力保障研修会」が10月30日に川棚町で開催された。
 午前中の講演は,福岡県教育庁,人権・同和教育課指導班の木牟礼博指導主事が,田川市金川小学校勤務時代に取り組んだ,家庭・学校・地域が一体となった学力保障の実践を中心に話して頂いた。
 午後の1番目は,滑石中学校の橋本紀代美先生から,学級に在籍しながら特別支援が必要な時間に通ってくる「通級学級(ステップルーム)」の子どもたちについて報告して頂き,グループ討議後に全体で意見交流しあった。
 2番目には,諫早高校定時制の林田賢作先生に,3年次で欠席がちになり「学校やめる」と言い出した浩子と,先生自身が携帯電話のメールでつながり,学級の生徒同士もメールでつながりだし,卒業間近には「まだ,卒業したくない」といいながら卒業していったという報告をして頂いて討議し合った。
 「メールの薦めではありません。浩子がメールだったからメール交換をしたのです。浩子が手紙だったら手紙を,パソコンだったらパソコンを使ったと思います。いつも,生徒とつながることを一番に考えての学級づくりを心がけてます」という林田先生の言葉が印象的だった。
(長崎県人権教育研究協議会・渡邉暁美 記)

◆映画「新・あつい壁」完成披露上映会日程決まる!

期日:2008年2月10日(日)14時から
場所:長崎市民会館文化ホール
料金:前売り(1200円)当日(1500円)
(制作・上映協力券をお求め頂いた方は当日お持ち下さい。)
詳しくは、長崎映画センター(095-824-2974)まで

●いのち・愛・人権2007年長崎市民の集い

 長崎の人に人権を広くアピールする「いのち・愛・人権2007年ながさき市民のつどい」が11月17日(土)に長崎駅前かもめ広場で開催された。駅利用者や買い物客が行きかう駅前に音楽が響きわたると、たくさんの人が足を止めた。
 つどい当日、スタッフは9時半に集まり、昼からのつどいの準備をはじめる。パネルボードやイスの設置といった会場設営も、過去6回の経験から段取り良く進められた。
 つどい開催に向けての準備は、夏の終わりから約2ヶ月間。地区労・狭山市民の会・解放同盟長崎支部・長崎市人権教育研究会のメンバーからなる事務局会議を中心に、実行委員会の開催からステージ出演の要請と仕事をこなしていく。今年のステージ出演は、9団体。そのうち5つが初参加ということで、出演を通しての人権啓発の広がりが見られた。
 和太鼓の威勢のいい音とともに2007年のつどいがスタート。オープニングで呼び込み太鼓を披露してくれたのは、小学2年生から4年生で構成される太鼓集団「いもの鼓」。結成から3年となり、新調した法被(はっぴ)姿に大きな成長が感じられた。今回、和太鼓演奏は、「大鬼侍(だいおんじ)」・「鼓舞輪楽鼓(こぶりんらっこ)」といもの鼓を合わせて3団体。他にも、二つの高校が合同で出演してくれたエイサー、中国人留学生によるひょうたん笛、紙芝居、バンド演奏等が夕方までの3ステージに出演した。なかでも一番注目を集めたのは、佐世保よさこい祭りで感動賞を受賞した「阿瀧〜ばnight`s(あろーばないつ)」のよさこい。明るく元気な踊りに観客から飛び入りが出るほどの盛り上がりを見せた。
 このつどいには、華やかなステージ部門以外に人だかりができる「綿菓子」コーナーがある。無料ということで、子どもだけでなく大人からも大人気。多い人では、5本も食べた人がいた。パネル展示は、ステージの音に耳を傾けながら、観ることができる位置に設置してあり、狭山事件やイラクの子どもたち、ハンセン病問題などが用意された。今年は、この啓発パネルを見る人が例年より多く感じられた。
 今年で7回目を数える「いのち・愛・人権ながさき市民のつどい」。毎年あるイベントとして定着してきたとは言えないが、長崎市でいま一番人通りが多いこの場所で「人権のつどい」をおこなう意義は大きい。(実行委員会・宮崎懐良 記)

 最近の受入図書(●は寄贈)
○『対話からはじまる人権学習 地域・職場・学校』(岡田耕治,解放出版社,07.3)
○『人やまちが元気になる ファシリテーター入門講座』(ちょんせいこ,07.4)
●『<眼差される者>の近代』(黒川みどり,解放出版社,07.10)
●『私の人権行政論』(炭谷茂,解放出版社,07.7)
●『結婚差別』(奥田均,解放出版社,07.11)
●『見なされる差別』(奥田均,解放出版社,07.11)
●『講座・人権ゆかりの地をたずねて』(世界人権問題研究センター,07.10)
●『楽戸』(項陽,好並隆司訳,解放出版社,07.12)

(定期刊行物)−(一部)
●『部落解放研究』第178号(部落解放・人権研究所)
●『研究紀要』第13号(ひょうご部落解放・人権研究所)
●『ひょうご部落解放』第126号(ひょうご部落解放・人権研究所)
●『部落解放』第588号〜590号(解放出版社)
○『ヒューマンライツ』第234〜236号(部落解放人権研究所)
○『こぺる』NO175〜177(こぺる刊行会)
○『ウィンズ』第51号(福岡県人権・同和教育研究協議会)
●『リベラシオン』第127号(福岡人権研究所)
●『GLOBE』第51号(世界人権問題研究センター)
●『部落問題研究』第181・182号(部落問題研究所)
●『明日を拓く』第69・70号(東日本部落解放研究所)
●『紀要』第12号(和歌山人権研究所)
●『滋賀の部落』第409〜412号(滋賀県同和問題研究所)
●『関西大学人権問題研究紀要』第54号(関西大学人権問題研究室)

◆ながさき人権フェスティバル◆

1月12日(土)
長崎市民会館 入場無料

13:00〜 オープニングセレモニー 長崎少年少女合唱団
13:30〜 講演会 辛(しん)淑玉(すご) さん(人材育成コンサルタント)
15:10〜 TATSUMAKIライブ(長崎を中心に活躍するロックバンド)

会議室 ワークショップ
NPO法人子どもの人権アクション長崎
NPO法人DV防止ながさき

展示ホール
犯罪被害者の人権コーナー
人権啓発パネル展

ロビー・会場外
長崎福祉の店 ふれあいショップ
ながさき人権・さるく 15:15〜(NPO法人長崎人権研究所)
● ドラえもんキャラクターショーも)

お問い合わせは、長崎県県民生活部人権・同和対策課(рO95−826−2585)



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