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「研究所情報」第49号 2009年05月31日

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09年度第6回総会を開催!
新事業計画(後期)の終了を控えて

 5月9日(土)研究所第6回総会が、県人権教育・啓発センターで開催されました。今年度は、「後期計画」の最終年にあたります。 総会は、藤澤秀雄理事長の開会挨拶に始まり、県人権・同和対策課長の斎藤誠氏に来賓としてご挨拶をいただきました。のち、議長に会員の山下信哉氏が選出され、08年度事業報告、決算報告さらに、09年度事業計画、予算案が提案され、審議の後可決されました。
 事業報告では、史料解読会の開催(6回)、部落解放学習会(5回)、さらに研修会への講師派遣(12回)、フィールドワークの受け入れ(29回)等多彩な活動が報告されました。また、発行が遅れています「もやい」合併号は5月下旬刊行の予定であることが確認されました。決算報告では、フィールドワーク事業での収入が昨年度の倍近くまで伸びているものの、なお厳しい財政事情です。
 09年度事業計画では、今年度が最終年度であることから、「もやい」59号を機関誌の総目録として発刊すること、対馬藩の朝鮮貿易関係文書と部落史資料集を合冊にして、発行することになりました。さらに、フィールドワーク用リーフレットの増補改訂版の発行を行うこと等議論されました。
 さらに、10年以降の研究所の体制(財政、事業等)が審議され、プロジェクトの発足等議論されましたが、困難な状況にあることは否めません。6月中までに、県とも議論を重ね、新たな事業の枠組みを作ることになりました。一つテーマとなったのが、「インターネットによる人権侵害」です。これは現在予備調査の段階で、今後「できること」は何か、議論を進めていきます。
 研究所は「如何にあるべきか」、皆様のご意見をお寄せいただきたいと考えます。

 コラム
▼本号から、「情報」を6頁とした。年二回発行していた機関誌『もやい』が、諸般の事情で、今年度は『被差別民の長崎・学』『長崎の部落史研究(総目録)』として発行されるため、「活動の記録」や「人権関係新聞記事ひろい読み」が掲載されないこともある。
▼しかし、機関誌が、研究成果を主とすることに対し、「情報」は研究所の日常や活動の取り組みを紙面で紹介し、読者に伝えることにある。その意味で、生きた記事を多く掲載することになる。これが、やさしそうで、なかなか難しい。そのためには、編集委員会の機能を充実させること。また、啓発という側面を紙面に取り込むことだ。県内で行われる「人権」に係わる様々な行事を事前にキャッチし、紹介することも必要となる。
▼今年発行される「情報」は、このことを肝に銘じたいものだ。(あ)

高山文彦氏が長崎を訪問!

 5月21日(木)から三日間、松本治一郎の伝記『水平記』(新潮社)や『エレクトラ—中上健次の生涯』(文藝春秋)を著している高山文彦氏が次の作品を執筆するため来崎した。「ー生き抜け、その日のために。」『水平記』の「おわりに」で、高山氏は「彼(松本治一郎)が長崎の原爆で母親を失った水平社の若い同人に書き送った短い一文に突き当たり、最終的にそれを見たことが私に筆を執らせた。」とある。そして、今回の取材は、その「若い同人」を探すことにあった。今回は二度目の訪問であるが、長崎で解放運動が始まった頃を知る関係者を取材、また、キリスト教との関わりが深い長崎の被差別部落を知るために、日本二十六聖人記念館のデ・ルカ・レンゾ館長と面談し、昨年お亡くなりになった結城了吾前館長に関することや、部落問題への係わりについて取材した。また、記念館に所蔵される多くの関連史料を調査した。
 今年秋からは、雑誌『部落解放』(解放出版社)で新作品が連載されることになっている。乞う、ご期待!

6月~8月の主な行事

6月13日(土) 部落解放同盟長崎県連合会定期大会(長崎市)
7月9日(木)~10日(金)部落解放・人権西日本夏期講座(山口市)
7月28日(火)~29日(水)第28回九州地区部落解放史研究集会(鹿児島市)
8月1日(土)~2日(日)第14回全国部落史研究集会(高知市)
8月5日(水)~6日(木)第34回長崎県人権教育研究大会(大村市)
8月19日(水)~20日(木)第36回九州地区人権・同和教育夏期講座(久留米市)

会員募集

研究所では、会員の募集を行っています。 
 正会員(年会費:5000円)
 賛助会員(年会費:3000円)
 団体賛助会員(年会費:10000円)
(このうち、正会員は総会に出席し、議決権を有します。)
会員の皆様には、研究所の発行する機関誌や、「情報」等をお送り致します。

第28回九州地区部落解放史研究集会

場所:鹿児島県教職員互助組合会館
鹿児島市照国町11-351
℡099-225-4555
期日:2009年7月28日(火)~29日(水)

内容・・・1日目
▼ シンポジュウム「部落史の見直しと部落史学習」
・総論:阿南重幸(長崎人権研究所)
  「部落史の再興ー貧困史観の克服をめざして」
・報告:中村久子(佐賀部落解放研究所)
  「肉食と被差別民」
・報告:竹森健二郎(福岡県人権研究所)
  「被差別民の日常生活」
・松本英将(佐賀市立循誘小学校)
  「部落史を学ぶと差別が見えてくる」

・・・2日目
▼講演「仲覚兵衛と鹿児島の牛馬骨粉業」 
    坂元恒太(ミュージアム知覧)

 本年の研究集会は、「部落史の見直しと部落史学習」をテーマに鹿児島市で開催されます。 テーマはこの10年ほど叫ばれ続けているものですが、学校現場では、いかがでしょうか。そして、代わる部落史の授業はどのように展開されているのでしょうか?今一度確認したいと思います。

集会参加ご希望の方は、研究所事務局までご連絡下さい。
 最近の受入図書(●は寄贈)
○『大阪の部落史 第10巻』(大阪の部落史委員会,解放出版社,09.3)
●『わたし 出会い 発見 part7』(大阪府人権教育研究協議会,09.4)
●『大阪の子どもたち』(大阪府人権教育研究協議会,09.3)
●『資料集 上田静一と被差別部落』(大阪市立大学人権問題研究会,09.3)

(定期刊行物)-(一部)
●『部落解放研究』第185号(社 部落解放・人権研究所)
●『ひょうご部落解放』第132号(社 ひょうご部落解放・人権研究所)
●『部落解放』第6121号~614号(解放出版社)
○『ヒューマンライツ』第253号(社 部落解放・人権研究所)
●『リベラシオン』第133号(社 福岡県人権研究所)
●『部落解放研究くまもと』第57号(熊本県部落解放研究会)
●『明日を拓く』第74・75号(東日本部落解放研究所)
●『GLOBE』第57号(財 世界人権問題研究センター)
●『解放研究』第73号(東日本部落解放研究所)
●『信州農村開発史研究所報』第104・105号(信州農村開発史研究所)
●『KG人権ブックレット』第13号(関西学院大学人権教育研究室)
●『関西大学人権問題研究室紀要』第57号(関西大学人権問題研究室)
●『人権問題研究室紀要』第23号(近畿大学人権問題研究所)
●『二〇〇八年度部落史連続講座 講演録』(京都部落問題研究資料センター)
●『東京大学史料編纂所 研究紀要』第19号(東京大学史料編纂所)
●『東京大学史料編纂所報』第43号(東京大学資料編纂所)
●『マイノリティー研究』創刊号(関西大学マイノリティー研究センター)
●『関西学院大学人権研究』第13号(関西学院大学人権教育研究室)




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