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もやい(「ながさき部落解放研究」)51号〜



「もやい 長崎人権・学」 51号  2006.03

●特集 〈人権意識調査〉から教育・啓発へ
@05年版「人権に関する県民意識調査」を読む
  長崎人権研究所理事長 藤澤秀雄
A「人権教育のための国連10年」行動計画から
 新しい長崎県「人権教育・啓発基本計画」へ
  長崎県人権・同和対策課
B体験的参加型学習に期待すること
 2005年度地区別人権・同和教育研修会講義Uより
  傳 均
●Library近刊書
●シリーズ文学の舞台を訪ねて
 『らんぷの絵(藤浦洸)〜平戸・故郷の風景−』
  中学校教諭・作家 田中良彦
● シリーズ人権を考える その3「子ども」
  中央児童相談所 川原ゆかり
●ひと 「非暴力・信頼・自立」
  学童×フリースペース ルート代表 近藤祐教
●まんが by西岡由香
●人権関係新聞記事 ひろい読み

◆編集後記
○特集を「〈人権意識調査〉から教育・啓発へ」とした。もとより、05年に行われた人権に関する県民意識調査をベースに、これからの行政・教育の展望を指し示すことを期待してである。藤澤さんには意識調査結果の特徴について、人権・同和対策課には、3月に策定された「長崎県人権教育・啓発基本計画」の全容を紹介していただいた。両者を重ね合わすことで今後につながることを期待したい。傳さんには研修講義録を寄せていただいた。5〜6年前から試みられている「体験的参加型学習」名前は随分浸透したようであるが、内実は如何。
○本号のシリーズは意図したわけではないが、子どもに焦点があてられてしまった。川原さん、近藤さん、いずれも子どもを前に必死に格闘している姿が目に浮かぶ。子どもに関わる被害・加害、暴力や虐待、自死、どうしてこれほどと思うほど事件が起こっている。しかし、子どもの事件ではあるが、その背景には、必ず大人がいる。そして当然のように、この社会があることを忘れてはいけない。
○田中さんには、今回平戸を訪ねていただいた。作家の作品を顧みながら郷土を訪ねることで、その地域にある歴史や重みを知ることができる。西岡さんには、今回初めて登場していただいた。ありがとうございました。
(あ)


「もやい 長崎人権・学」 52号  2006.10

●キリシタンと部落問題
 「キリシタン迫害と被差別民」
  阿南重幸
●ひとシリーズ4・孤児養育事業の草分け
 「岩永マキと『女部屋』の女性たち」
  女性史研究家 葛西よう子
●シリーズ人権を考える その4「ハンセン病と差別」
  風見 治
●ジャカルタ日本人学校での日々・その1
  対馬市立厳原北小学校 勝見廣治
●望郷の原爆忌
  風見 治
●1945年 ウラカミ
  長崎市立銭座小学校・同和教育推進教員 馬場 努
●Library近刊書
●シリーズ文学の舞台を訪ねて
 『歴史との出会い【対馬幻想行(橋川文三)】
  中学校教諭・作家 田中良彦
●人権関係新聞記事 ひろい読み

◆編集後記
▼「もやい」が装丁を変えて本誌は、4号目である。おおよそ、この辺りで編集がお粗末になる頃である。編集委員会が機能していればそうでもないが、素人の作る雑誌は得てしてそんなものである。そういう意味で本誌の製作は多くの方に助けられた。
▼田中氏には、例号通り「文学の舞台を訪ねて」(対馬編)を執筆して頂いた。歴史と文学、歩きをミックスした語りには毎回恐れ入る。シリーズ「人権を考える」では、鹿児島鹿屋にお住まいの風見治氏が、6月長崎へお出でになった際の講演録を掲載させて頂いた。風見氏は長崎出身のハンセン病回復者。氏にはいくつかの著作があるが、「望郷」という言葉に引きつけられる。長崎への思いはことのほか強い。また、葛西氏の「岩永マキ」考は、「浦上」を考えるときどうしても避けられない人であると考え、依頼して執筆して頂いたものである。
▼馬場氏の「1945年 ウラカミ」は、この地で長年行われてきた平和教育、及び同和(人権)教育の総合的な報告である。保護者や教職員そして地域の人、むろん子どもたちの力が集まった教育活動の展開である。勝見氏には、対馬取材のおりにお伺いしたジャカルタの日本人学校での経験をレポートして頂いた。「キリシタン迫害と被差別民」は、この間の研究をとりあえずまとめたものである。
▼本誌のキーワードは、強いて挙げれば対馬と浦上である。人権というフィルターを通してこの地を歩いてみる絶好の材料にならないだろうか?(あ)


「もやい 長崎人権・学」 53号  2007.03

●長崎県の教育の課題
 「自尊感覚を育成する教育を」
  長崎大学教育学部教授 上薗恒太郎
●「対立に学ぶ」という逆転の発想
  長崎市人権教育研究会 浦田隆史
●ワークショップ「企業と人権」
  長崎県人権教育研究協議会 岩川克行
●ひとシリーズ5
 「性教育・セクシュアリティと映画 雑感」
  産婦人科医・長崎県”人間と性”教育研究協議会代表 安日泰子
●シリーズ人権を考える その5 映画「新 あつい壁」
  NPO法人長崎人権研究所理事長 藤澤秀雄
●シリーズ文学の舞台を訪ねて その5
 「遠藤周作『沈黙』‐『殉教』に学ぶことなど‐」
  中学校教諭・作家 田中良彦
●Library近刊書
●ジャカルタ日本人学校での日々・その2
  対馬市立厳原北小学校 勝見廣治
●人権関係新聞記事 ひろい読み
●「大村は歴史の宝庫です」
  NPO法人長崎人権研究所 阿南重幸

◆編集後記
▼本年2月17日付の地元新聞には、「同和書籍の購入を強要‐恐喝容疑で20人逮捕」という4段抜きの結構大きな記事が載った。今更ながら、高額図書の売りつけは度を超して頻発した。筆者の知人等からも、多く相談が寄せられた。脅されて結局買ったんだけど、うるさいから、と。いや買わなくて良いよ、買ったらまた売りつけられるよ。いや買わなかったら、何をされるか分からないから、と。ここには、えせ右翼、えせ同和など、恫喝的な売り込みで背後に暴力団が絡んでいることを予感させ、結局目に見えない恐怖から「5万円ですむ」ならと買うという心理が働いている。
‐略‐(あ)


「もやい 長崎人権・学」 54号  2007.10

●原城の土の声から−人権、権力、差別−
  結城了悟
●シリーズ 文学の舞台を訪ねて・その6
 壱岐・海に沈みし人のこと−「君を弔う日に」「三富朽葉詩集」「鎮魂の海峡」−
  中学校教諭・作家 田中良彦
●シリーズ ひと・その6
 「人間(ひと)として」
  部落解放同盟長崎県連・前委員長 中尾貫
●人権に関する意識調査(2006年11月長崎市公表)を読む
  長崎市人権教育研究会 松尾洋
●シリーズ 人権を考える・その6
 ミャンマー難民キャンプからの報告
  牧薗舞
●人権関係新聞記事 ひろい読み
●Library近刊書

◆編集後記
▼長崎では、諏訪社の祭礼お宮日が終わると秋が来るといわれる。本当に暑かった今夏もこの日を堺に朝晩はめっきり涼しくなった。うかうかしていると、衣裳替えも間に合わない。陽の沈む位置が変わった。稲佐山に夕日が落ちると、急に肌寒く感じる時がある。それにしても、今年は雨が少ない。降れば降ったでうっとうしいがなければなんだか訝しく思うのである。
▼本号には、結城論文と牧薗レポートの二つを寄稿していただいた。前者は「原城の土からの声」とタイトルされ、それは宗教戦争ではないとの指摘である。島原・天草一揆をいかに捉えるのか、「解決の鍵は『権力』という言葉にある」とされる。神田知里『島原の乱−キリシタン信仰と武装蜂起』等に触発された問題提起であろうか。後者は最近不穏な動きを見せるミャンマー情勢、この報告は、隣国タイのメラ難民キャンプからの報告である。日本でも難民を受け入れる方向に進んでいるという。こうした情報に接することの少ない私どもにとって貴重なレポートである。
▼田中良彦氏の紀行文は今回で6回になる。ますます乗ってきた感がある。長崎県にはこんなに多くの文学舞台があるのだ。まだまだ続く。中尾貫氏が本年6月、解放同盟県連委員長の職を辞された。20年ほど前に、本誌の前身である「ながさき部落解放研究」にエッセーを寄せていただいている。記念として一部加筆の上、採録させていただいた。人権に関する長崎市民意識調査が行われた。松尾氏には、その概要を報告していただいた。教育・啓発はこうした調査に基づいて進められなければならない。現状はどうであろうか?
▼秋晴れの良天が続く。今秋は、夏に少なかった分、フィールドワーク研修の依頼が多い。
(あ)


「もやい 長崎人権・学」 55号  2008.03

●気づきから築きへ
  長崎県人権・同和対策課 川 英治
●シリーズ 文学の舞台を訪ねて・その7
 「鯨神」(宇能鴻一カ)の島を往く
  中学校教諭・作家 田中良彦
●シリーズ ひと・その7
 「仏教者としての反差別の歩み」
  曹洞宗人権擁護推進本部啓発相談員 塩屋秀見
●シリーズ 人権を考える・その7
 <被爆と人権>長崎原爆の今日
  平和活動支援センター所長 平野伸人
●これからの人権教育をいかに展開するか
  教育学部生3年のレポート
●人権関係新聞記事 ひろい読み
●Library近刊書

◆編集後記
▼「気づきから築きへ」、県人権・同和対策課の川英治氏には、実際の研修内容を1つのモデルとして報告していただいた。
▼「文学の舞台を訪ねて」は、今回生月である。宇能に生月を舞台にした『鯨神』なる小説があることを、お粗末ながら初めて知った。「島の館」そしてボランティアガイドの皆さん、ありがとうございました。
▼「人」の塩屋秀見氏は、曹洞宗の啓発相談員として全国を歩かれている。まさにここには「反差別の歩み」が記されている。
▼「人権を考える」では、教員を退職され、現在は「平和活動支援センター」を主宰されている平野伸人氏に「長崎原爆の今日」と題し寄稿していただいた。被爆者問題の課題を簡潔に4つ挙げられている。また被爆体験の継承では、高校生の平和活動を取り上げ、世界の中の「ナガサキ」が展望されている。長崎から全国に、否、世界に発信する取り組みである。
▼本号では、3年ぶりに長崎大学教育学部の学生に登場していただいた。「人権教育」受講生は200人余り、「私はこうしたい」と、具体的に提案されていると思われたものを選び、レポートのタイトルは編集部で付けた。自分に意味のある、現実の姿の学ぶ、実感を伴った、ルールを学ぶ、5つの視点、インターネット、それぞれのレポートから引き抜いたタイトルは、どれも重要なテーマとなり得る。一度現場で人権教育を推進している教師たちと、これらのレポートをもとに話し合っては如何だろうか。
(あ)


「もやい 長崎人権・学」 56号  2008.10

●人権教育の地域推進事業
 全校で取り組んだ集団作り 対馬市立佐護中学校職員集団
●シリーズ 文学の舞台を訪ねて・その8
 小値賀島・天主堂の孤独
 「火宅の人」(檀一雄)の島を往く
  中学校教諭・作家 田中良彦
●シリーズ ひと・その8
 私にとっての同和(人権)教育
  全同教常任委員 石村榮一
●シリーズ 人権を考える・その8
 「採用に当たって企業は?」〜長崎県の具体例〜
   傳 均
●非人と呼ばれた人たち
  阿南重幸
●人権関係新聞記事 ひろい読み
●Library近刊書

◆編集後記
▼昨今語られる「人権の基礎体力」あるいは「人権感覚」などという言葉を、なるほどと腹に落とされたレポートが、冒頭佐護中学校職員集団の「人権教育の地域推進事業−全校で取り組んだ集団作り」である。本年2月、諫早市でおこなわれた長崎県人教の「人権総合学習実践交流会」でその中間報告を聞かせていただいたが、2006年度から08年度3年間の文科省指定地域推進事業で、年度ごとの総括がしっかりつぎに活かされる形で目標が立てられ最終年度に完結しようとしている。
▼「シリーズ人」は石村榮一氏に登場していただいた。本年度第2回部落解放学習会で、氏の30数年に渡る教員生活を「同和教育」の視点でお話しいただいた。同和教育が打ち立てた。三つの原則をいま大切にしたい。
▼「シリーズ人権を考える」では、長崎県人教の傳均氏に企業の採用時における問題点を、長崎県の具体例として報告していただいた。いわゆる「違反選考」が長崎県は九州各県に比べると極端に少ない。「ない」のではなく、気づいていない現状がある。
▼「非人と呼ばれた人たち」は、本年8月宮崎県小林市で行われた九州地区部落解放史研究集会報告の一部である。非人とは誰なのか、長崎「犯科帳」からみた。
▼「文学の舞台を訪ねて」は小値賀島に渡った。檀一雄「火宅の人」がテーマである。野崎島には旧野首教会がそのままあり、まわりには廃屋と畑が点々と残っていた。
▼秋が深まりつつ、随分過ごしやすくなった。
(あ)


「もやい 長崎人権・学」 57・58号  2009.03

被差別民の長崎・学−貿易とキリシタンと被差別部落−

刊行にあたって
T 貿易都市長崎と「かわた」集団
 −キリスト教と皮革流通に関連して
 はじめに
 第一章 貿易都市長崎の成立と「かわた」集団
 第二章 対外貿易と長崎・大坂ー「かわた」の役割に関連して
 第三章 対馬と朝鮮貿易
 おわりに

U 江戸期−皮流通と大坂渡辺村商人
 −豊後・豊前・筑前と大坂渡辺村商人
 はじめに
 九州藩領にみる大坂渡辺村皮商人
 豊後府内藩と大坂渡辺村商人
 豊前小倉藩と大坂渡辺村商人
 筑前福岡藩と大坂渡辺村商人
 おわりに

V 近世初頭かわた(皮屋)・長吏集団のキリスト教受容
 はじめに
 第一章 キリスト教伝来から宣教師追放令(一六一四年)にいたるまで
 第二章 キリシタン禁制下の迫害期(一六一四年〜一六三〇年代)
 第三章 キリシタン潜伏期の始まり(一六三〇年代〜)
 おわりに

W 非人と呼ばれた人びと
 「犯科帳」にみる非人集団
 はじめに
 非人集団の形成
 非人の犯罪
 非人の仕事
 市中清掃に係わって
 芸能に関すること
 おわりに

X 浦上四番崩れと被差別部落
 はじめに
 「四番崩れ」事件で警察・刑吏役を務めた部落
 キリシタンとしての長崎・皮屋町
 潜伏キリシタンとして
 「かわた」(かわや)のキリスト教受容
 おわりに
成長率ゼロの時代を生きた庶民の暮らし 長崎編(藤澤秀雄)


「もやい 長崎人権・学」 59号  2009.10

機関誌総目次
機関誌分類別目次
機関誌著者別目次
蔵書目録−長崎県関係















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