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精神薄弱者の権利宣言
1971年12月20日 第26回国連総会決議


 総会は
 国際連合憲章のもとにおいて、一層高い生活水準、完全雇用および経済的、社会的進歩および発展の条件を促進するためこの機構と協力して共同および個別の行をとるとの加盟国の契約に留意し、                      
 この憲章で宣言された人権と基本的自由並びに平和、人間の尊厳と価値および社会的正義の諸原則に対する信念を再確認し、
 世界人権宣言の諸原則、国際人権規約、児童の権利に関する宣言並びに国際労働機関、国連教育科学文化機関、世界保健機関、国連児童基金およびその他の関係機関の憲章、条約、勧告および決議においてすでに設定された社会の進歩と発展に関する宣言が心身障害者の権利を保護し、かつそれらの福祉およびリハビリテーシヨンを確保する必要性を宣言したことを強調し、
 精神薄弱者が多くの活動分野においてその能力を発揮し得るよう援助し、かつ可能な限り通常の生活にかれらを受入れることを促進する必要性に留意し、
 若干の国は、その現在の発展段階においては、この目的のために限られた努力しか払い得ないことを認識し、
 この精神薄弱者の権利宣言を宣言し、かつこれらの権利の保護のための共通の基礎および指針として使用されることを確保するための国内的および国際的行動を要請する。

1 精薄者は、実際上可能な限りにおいて、他の人間と同等の権利を有する。

2 精薄者は、適当な医学的管理及び物理療法並びにその能力と最大限の可能性を発揮せしめ得るような教育、訓練、リハビリテーション及び指導を受ける権利を有する。

3 精薄者は経済的保障および相当な生活水準を享有する権利を有する。また、生産的仕事を遂行し、又は自己の能力が許す最大限の範囲においてその他の有意義な職業に就く権利を有する。

4 可能な場合はいつでも、精薄者はその家族又は里親と同居し、各種の社会生活に参加すべきである。精薄者が同居する家族は扶助を受けるべきである。施設における処遇が必要とされる場合は、できるだけ通常の生活に近い環境においてこれを行なうべきである。

5 自己の個人的福祉及び利益を保護するために必要とされる場合は、精薄者は資格を有する後見人を与えられる権利を有する。

6 精薄者は、搾取、乱用及び虐待から保護される権利を有する。犯罪行為のため訴追される場合は、精薄者は正当な司法手続に対する権利を有する。ただし、その心神上の責任能力は十分認識されなければならない。

7 重障害のため、精薄者がそのすべての権利を有意義に行使し得ない場合、又はこれらの権利の若干又は全部を制限又は排除することが必要とされる場合は、その権利の制限又は排除のために援助された手続はあらゆる形態の乱用防止のための適当な法的保障措置を含まなければならない。この手続は資格を有する専門家による精薄者の社会的能力についての評価に基づくものであり、かつ、定期的な再検討及び上級機関に対する不服申立の権利に従うべきのものでなければならない。



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