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障害者の積極的採用等について
平成9年12月18日
職発第878号
労働省職業安定局長
障害者の採用等については、従来から格別の御配慮を願っているところであります。
さて、国及び地方公共団体は障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三五年法律第一二三号。以下「障害者雇用促進法」という。)に基づき、障害者の雇用の促進と職業の安定を図るために必要な施策を総合的かつ効果的に推進するよう努めるとともに、自らもその雇用率を達成する義務を有しております。
この障害者の雇用率制度につきましては、平成九年四月、精神薄弱者への雇用率制度の適用を求める社会的気運の高まりや、内閣総理大臣を本部長とする障害者対策推進本部(現在の「障害者施策推進本部」)により策定された「障害者プラン〜ノーマライゼーション七ヶ年戦略〜」等を踏まえ、障害者雇用促進法の一部が改正され、精神薄弱者を含む障害者雇用率が設定されることとなりました。これを受け、同年九月、障害者の雇用の促進等に関する法律施行令(昭和三五年施行令第二九二号)の一部改正により、雇用率は、平成一〇年七月一日から、一般事業主にあっては一・八%(現行一・六%)、国及び地方公共団体にあっては二・一%、ただし、都道府県教育委員会等にあっては二・〇%(現行、非現業的機関二・〇%。現業的機関一・九%)、特殊法人にあっては二・一%(現行一・九%)に引き上げられることとなりました。
民間企業については、従来から障害者雇用促進法に基づく指導により一定の改善が見られない場合には、その企業名を公表するなど雇用率の達成を厳しく求めており、民間企業に対し率先垂範すべき立場にある国及び地方公共団体にあっては、雇用率の達成はもとより、一層の障害者の積極的な採用が求められております。
つきましては、現行の雇用率を達成されている貴機関におかれても、障害者の採用及び雇用継続への取組みについて再度御確認いただき、下記に御留意のうえ、今後より一層障害者の採用等を積極的に進めていただくよう特段の御配意をお願いいたします。
記
一 今後の退職予定障害者数及び新たな雇用率を達成するために今後採用すべき障害者数を把握した上で、現時点から障害者の採用を積極的かつ計画的に進めておかれたいこと。
二 「障害者対策に関する新長期計画」(平成五年三月障害者雇用対策本部策定)においては、重度障害者に最大の重点を置くこととされていることから、重度障害者を採用及び雇用継続するための職場環境の改善等条件整備と職域の拡大を図り、その積極的な採用及び雇用継続を図られたいこと。
三 平成九年六月一日現在の特殊法人における障害者雇用状況をみると、一部に雇用率未達成の法人が見受けられることから、貴機関において特殊法人を所管している場合には、その特殊法人についてもその障害者の雇用状況について十分に御確認のうえ、指導をお願いしたいこと。
四 具体的な障害者の採用については、障害者がその有する能力を十分に発揮する機会を与えられるよう、人事院から国家公務員試験に合格した障害者に関する情報を積極的に取寄せ、また選考の方法による採用が可能な官職についてはできる限り選考の方法により障害者の採用を図ること等従前にも増して積極的に取り組まれたいこと。
なお、平成三年度からは国家公務員試験(T・U種行政)の点字試験が実施されていることに
かんがみ、視覚障害者の採用にも積極的に取り組まれたいこと。
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