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高等学校奨学事業費補助実施要綱の制定について(通知)

13文科初第1125号
平成14年4月1日

各都道府県高等学校奨学事業費補助事業主管部局長あて文部科学省初等中等教育局長通知

 標記の補助事業の実施要綱が別紙のとおり制定され、平成14年度事業から適用することとなりましたので通知します。


高等学校奨学事業費補助実施要綱

平成14年4月1日 文部科学大臣決定

(目的)
第1条 この要綱は、高等学校等奨学事業費補助金交付要綱第3条第2項に基づき、勉学意欲がありながら経済的理由により高等学校(中等教育学校の後期課程及び高等専門学校を含む。以下同じ。)での修学が困難な者に対する奨学金の貸与に関する補助事業(「高等学校奨学事業費補助」)の実施について必要な事項を定めるものとする。

(事業の実施主体)
第2条 奨学金の貸与は、都道府県が行う(都道府県が、その所管する公益法人に対し奨学金に要する費用について補助又は貸付を行い事業を実施する場合を含む。)ものとする。

(貸与の対象者)
第3条 本事業による奨学金の貸与を受けることができる者は、高等学校に在学する者であって、次の(1)、(2)のいずれにも該当する者とする。
(1) 高等学校における勉学意欲がありながら、経済的理由により修学が困難な者であること。なお、経済的理由により修学困難な者は、前年度又は当該年度において、次の・から・のいずれかに該当する者とする。
・その者の属する世帯が生活保護法(昭和25年法律第144号)に基づく保護を受けた者
・その者の属する世帯が地方税法(昭和25年法律第226号)第295条第1項の規定により市町村民税が非課税とされた者
・その者の属する世帯が地方税法第323条第1項の規定により市町村民税が城免された者
・その者の属する世帯の全収入額(年収)が生活保護法第8条第1項の規定により厚生労働大臣が定める基準の例により算定した当該世帯の基準額(年収に換算)の1.5倍以下の者であって、生活保護法第6条第2項に規定する要保護者に準ずる程度に困窮している者と都道府県が認定した者
(2) 日本育英会法(昭和59年法律第64号)による育英資金、母子及び寡婦福祉法(昭和39年法律第129号)による奨学資金又は高等学校定時制及び通信教育振興奨励費補助金による修学資金の貸与を受けない者であること。

(対象者の選考)
第4条 対象者の選考及び決定は、本人の申請(保護者の同意を得るものとする。)に基づき都道府県知事又は都道府県の教育委員会が行うものとする。この場合、必要に応じ、申請者の居住する市町村の長若しくは教育委員会、申請者の在籍する学校の学校長又は申請者が居住する地域を管轄する福祉事務所長などの意見・助言を求めることができるものとする。また、必要に応じ、申請書等の審査、確認については申請者の居住する市町村の長若しくは教育委員会又は申請者の在籍する学校長等の協力を得ながら行うことができるものとする。
 なお、選考に当たって意見を聞くための機関を設け、対象者の厳正な選考に努めるものとする。

(貸与期間)
第5条 奨学金の貸与期間は、当該学校の標準修業期間とする。

(補助対象経費の額)
第6条 奨学金について、補助対象経費の額の算定に当たっては1人につき次表の額を限度とする。
   区 分             単 価
奨学金  国公立  自宅通学者  月額 18,000円
          自宅外通学者 月額 23,000円
     私立   自宅通学者  月額 30,000円
          自宅外通学者 月額 35,000円
2 奨学金の貸与を受けた者から当該年度の前年度において奨学金の返還があった場合には、その返還額に相当する金額を前項に基づき算定した金額から差し引くものとする。

(貸与の方法及び利子)
第7条 奨学金ヘ、都道府県と貸与対象者との契約により無利子で貸与するものとする。

(貸与の打ち切り)
第8条 都道府県は、奨学金の貸与を受けている者が貸与の辞退を申し出たとき、又は第3条に掲げる貸与対象者としての要件の一部又は全部を欠くに至ったときは、貸与を打ち切るものとする。

(返還)
第9条 都道府県は、奨学金の貸与を受けた者が高等学校を卒業したとき、又は第8条の規定により奨学金の貸与を打ち切ったときは、卒業又は打ち切った日の属する月の翌月から起算して6月を経過した後20年以内で都道府県が定める期間内に、月賦、半年賦、年賦又はその他の割賦の方法により貸与した奨学金を返還させなければならないものとする。
 ただし、この場合において奨学金の貸与を受けた者は、いつでも繰り上げ返還できるものとする。

(返還債務の履行猶予)
第10条 都道府県は、奨学金の貸与を受けた者が次の各号の一に該当するときは、願出により返還を猶予することができるものとする。
一 高等学校、短期大学若しくは大学等に在学するとき又は高等学校、短期大学若しくは大学等を卒業後、6月を経過しないとき
二 災害・盗難・疾病・負傷その他やむを得ない事由により、返還期日に奨学金を返還することが著しく困難になったと認められるとき
2 返還猶予の期間は、前項第一号に該当するときは、その事由の継続中とする。前項第二号に該当するときは1年以内とし、さらにその事由が継続するときは、願出により重ねて1年ずつ延長することができる。

(返還債務の免除)
第11条 都道府県は、奨学金の貸与を受けた者が死亡し、著しい障害を受け労働能力を喪失し、又は著しい障害を受け労働能力に高度の制限を有し、その奨学金を返還することができなくなったときは、奨学金の返還未済額の全部又は一部の返還を免除することができるものとする。

(返還金債権の管理)
第12条 都道府県は、返還金債権に関し、その保全、取立て、その他の管理事務を行うに当たっては、各都道府県の定める債権管理に関する規則にのっとり正確にこれを行うものとする。

(その他)
第13条 都道府県は、奨学金貸与事業を行うために、必要な予算を明示して計上するものとする。
 また、都道府県が奨学金の貸与について、その所管する公益法人に対し、奨学金に要する費用について補助又は貸付を行い事業を実施する場合には、都道府県と公益法人との間で補助(貸付)要綱を定め、国庫補助事業のよる貸与者、貸与額、返還額等の取り扱いについて明確にしなければならない。
2 都道府県は、この事業の遂行に必要と認められる事項について規程を定めるものとする。
3 都道府県は、各年度において貸与する奨学金の額が奨学金の貸与を受けた者から当該年度の前年度において返還された額に満たないときは、その満たない額の2分の1に相当する金額を国庫に返還するものとする。その場合には、別紙1を文部科学大臣に提出するものとする。
4 都道府県は、この事業を中止し、又は廃止した後、奨学金の貸与を受けた者から返還金があった場合には、その2分の1に相当する金額を国庫に返還するものとし、その取り扱いについては、別に定める。
5 この実施要綱は、平成14年4月1日から施行するものとする。




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