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地対財特法経過措置事業経費実施要綱
平成14年4月1日 文部科学大臣決定
(目的)
第1条 この要綱は、旧地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(昭和62年法律第22号)附則第1条第7項及び同法施行令附則第1条の6第1項及び第2項の規定に基づく経過措置による奨学金の貸与に関する補助事業の実施について必要な事項を定めるものとする。
(事業の実施主体)
第2条 奨学金の貸与は、府県又は指定都市が行うものとする。
(貸与の対象者)
第3条 奨学金の貸与を受けることができる者は、次に定める条件のすべてに該当する者とする。
(1) 平成14年3月31日において高等学校、中等教育学校の後期課程、高等専門学校、短期大字又は大学(以下「高等学校等」という。)に在学し、現に旧地域改善対策高等学校等進学奨励費補助事業(「旧補助事業」という。以下同じ。)による奨学金の貸与を受けていた者で、当該高等学校等に在学する者であること。
(2) 低所得者世帯に属し、経済的な理由により修学が困難である者であること。
なお、「低所得者世帯」とは、奨学金の貸与を受ける者の属する世帯の全収入が日本育英会の定める奨学生採用の際の収入基準額以下の範囲内で府県又は指定都市が定める額以下の世帯をいう。
(3) 日本育英会法(昭和59年法律第64号)による育英資金又は母子及び寡婦福祉法(昭和39年法律第129号)による修学資金の貸与を受けない者であること。
(対象者の選考)
第4条 対象者の選考及び決定は、保護者又は本人の申請に基づき、府県知事若しくは指定都市の市長又は当該府県若しくは指定都市の教育委員会が行うものとする。この場合、必要に応じ、申請書を申請者の居住する市町村の長若しくは教育委員会又は当該地域を管轄する福祉事務所長を経由して提出させ、これらの機関に所要の審査、確認の事務を行わせるものとする。
なお、選考に当たって意見を聴くための機関を設け、対象の厳正な選考に努めるものとする。
(補助対象経費の額)
第5条
奨学金のうち、補助対象経費の算定に当たっては1人につき次表の額を限度とする。
区 分 単 価
奨学金 高等学校 国公立 月額 23,000円
中等教育学校の後期課程 私立 月額 43,000円
高等専門学校
短期大学 国公立 月額 48,000円
大学 私立 月額 82,000円
2 奨学資金(本事業により貸与された奨学金並びに旧補助事業により貸与された奨学金及び通学用品等助成金をいう。以下同じ。)の貸与を受けた者から当該年度の前年度において奨学資金の返還があった場合には、その返還額に相当する金額を前項に基づき算定した金額から差し引くものとする。
(貸与の方法及び利子)
第6条 奨学金は、府県又は指定都市と貸与対象者との契約により無利子で貸与するものとする。
(貸与の打ち切り)
第7条 府県又は指定部市は、奨学金の貸与を受けている者が貸与の辞退を申し出たとき、又は第3条に掲げる貸与対象者としての要件の一部又は全部を欠くに至ったときは、貸与を打ち切るものとする。
(返還)
第8条 府県又は指定都市は、奨学資金の貸与を受けた者が高等学校等を卒業したとき、又は奨学資金の貸与を打ち切ったときは、卒業又は打ち切った日の属する月の翌月から起算して6月を経過した後20年以内に、月賦、半年賦、年賦又はその他の割賦の方法により貸与した奨学資金を返還させなければならないものとする。
ただし、この場合において奨学資金の貸与を受けた者は、いつでも繰り上げ返還できるものとする。
(返還債務の履行猶予)
第9条 府県又は指定都市は、奨学資金の貸与を受けた者が次の各号の一に該当するときは、返還を猶予することができるものとする。
一 高等学校、中学教育学佼の後期課程、高等専門学校、短期大学若しくは大字等に在籍すとき又は高等学校、中等教育学校の後期課程、高等専門学校、短期大学若しくは大学等を卒業後、6月を経過しないとき
二 災害・盗難・疾病・負傷その他やむを得ない理由により、返還期日に奨学資金を返還することが著しく困難になったと認められるとき
(返還債務の免除)
第10条 府県又は指定都市は、奨学資金の貸与を受けた者が死亡し、著しい障害を受け又は長期間所在不明となったことにより、奨学資金を返還することができなくなったと認めるときは、奨学資金の返還来済額の全部又は一部の返還を免除することができるものとする。
なお、「長期間所在不明」とは、奨学資金の貸与を受けた者の所在が3年以上継続して不明であって、所在不明となる前の住所、居所又は転居先と思われる地域等を管轄する市町村等への照会など必要な調査を行ってもその所在が不分明である場合をいう。
2 府県又は指定都市は、奨学資金の貸与を受けた者(父母と同居している場合は、その者の属する世帯)が、次の各号の一に該当することにより、奨学資金の返還が著しく困難であると認められるときは、その者の申請により、貸与した奨学資金の額の5/20を限度として、奨学資金の返還を免除することができるものとする。ただし、奨学資金の貸与を受けた者がその父母と同居していない被扶養者(主として他人の収入により生計を維持する者をいう。)であるときは、その父母についても次の各号の一に該当することにより、奨学資金の返還が箸しく困難であると認められるときに限り、当該者の父母の申請により、同様に奨学資金の返還を免除することができるものとする。
一 市町村民税所得割非課税のとき
二 府県又は指定都市が定める基準日において、基準日の前1年間の全収入が生活保護法(昭和25年法律第144号)の規定による保護の基準に基づいて算定する年額の1.5倍の範囲内で、府県又は指定都市が定める額以下のとき
3 前項の規定に該当する場合において、返還免除の額は、免除を認めた当該年度を含め、以後5年間で5/20を超えることができない。
(返還金債権の管理)
第11条 府県又は指定都市は、返還金債権(旧補助事業によるものを含む。)に関し、その保全、取立て、その他の管理事務を行うに当たっては、各府県又は各指定都市の定める債権管理に関する規則にのっとり正確にこれを行うものとする。
(その他)
第12条 府県又は指定都市は、奨学金貸与事業を行うために、必要な予算を明示して計上するものとする。
2 府県又は指定都市は、この事業の遂行に必要と認められる事項について規程を定めるものとする。
3 府県又は指定部市は、各年度における奨学金貸与額が奨学資金の貸与を受けた者から当該年広の前年度において返還された額に満たないときは、その満たない額の3分の2に相当する金額を国庫に返還するものとする。その場合には、別紙1を文部科学大臣に提出するものとする。
4 府県又は指定都市は、この事業を中止し、又は廃止した後、奨学資金の貸与を受けた者から返還金があった場合には、その3分の2に相当する金額を国庫に返還するものとする。その場合には別紙2を文部科学大臣に提出するものとする。
5 この実施要綱は、平成14年4月1日より施行する。
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