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幼稚園における同和教育に関する配慮事項について

文部省



 同和対策審議会答申(昭和40年8月11日、地域改善対策協議会意見具申(昭和5)9年6月19日)にも指摘されているとおり、同和問題の解決は国の責務であり、国民的課題である。この問題の解決のために、学校教育の場も十分な機能を果たすことが期待されている。
 文部省では、これを踏まえ、学校における同和教育の推進に資するため、学校教育関係者に対し「同和教育資料」を通知して、その普及・徹底を図っており、特にその中で「同和教育の推進について」の方針を示しているところであるが、幼児期は、人間形成の基礎が培われる極めて大切な時期であり、この時期に基本的人権尊重の精神の芽生えを育むことは、幼児のその後の成長にとって重要であることにかんがみ、幼稚園における同和教育に当たっては、次のような点に配慮する必要がある。

@ 幼児期は、発達が未分化で個人差が著しい時期であり、各々の幼児の発達状況に応じた教育を行うことが大切である。このため、一人ひとりの幼児の状況を十分に把え、その多様な教育課題を明らかにして、調和の取れた全人的発達の基礎を築くことに努める必要がある。
 また同時に、一人ひとりの人格が尊重される集団の中でこそ子供の能力や個性が発揮されることを踏まえ、一人ひとりが人間を尊重する気持ちを持てるような、差別を生まない人間関係づくりを進めなければならない。
A また、幼児は周囲の環境から受ける影響が大きく、幼稚園においては、各々の幼児の生活環境を十分把握しつつ、適切な指導を行うことが必要である。特に同和地区の幼児を対象に含む幼稚園においては、幼児の家庭・地域環境、生活条件等の状況や差別の背景を十分に把握し、積極的に家庭・地域や小学校等関係諸機関との連携を図り、地域全体の力で心身ともに健全な、差別を生まない子供が育成されるよう努める必要がある。
B その際、特に幼児の健康、基本的生活習慣・技能、社会性、言語の発達など、日常生活の基礎的な事項について、幼児が十分身につけることができるよう配慮するとともに、将来にわたってすべての幼児が、思いやりと協調性に富み、いじめや差別を生まない、互いの人格を尊重し合える人間として自立することができるよう努めることが必要である。
C 幼稚園においては、同和問題についての正しい理解と認識を形成し、全教職員が密接に連携・協力する体制をとり、幼児の生活経験に即した指導を行うことができるよう教育課程を編成し、これを個々の幼児の実態に沿って十分に展開する必要がある。なお、教育課程の編成に当たっては、差別を生まない人間を育てる観点を踏まえ、教材や遊びの内容等の選定に十分配慮しなければならない。
D 幼稚園において、これらの点を踏まえた適切な指導が行われるよう、教職員は同和問題についての正しい理解と認識を深める等の必要な研さんに努める必要があり、設置者においてはその機会の確保に一層努めることが必要である。



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